建国200年余の新しい国、オーストラリア。
この国が初めて西洋文化に触れたのは今から約400年前に、スペイン船とオランダ領東インド会社が豪州の北方海域に来たことから始まります。
その頃オランダ人の探検家タスマン、イギリス人ダンビアが、このオーストラリアの海岸線を発見、オランダ、ポルトガルは、早くにオーストラリアの存在を確認していましたが、貿易だけが目的だったこの国々の船乗り達は、この荒涼とした土地に全く興味を示しませんでした。
時が経ち、大英帝国が世界中の海を支配する時代がやってきます。
当時は、犯罪人の植民地だったアメリカが独立戦争を起こし、イギリスは新しい植民地を探す必要がありました。
1769年の金星が太陽面を通過する(The transit of Venus)時に、ジェームズ・クックという英国海軍士官が観測のためタヒチにエンデバー号で派遣されました。
それは、地球上のなるべく離れた二地点で太陽面の金星の軌跡を正確に観測し、三角法を用いて太陽までの距離を計算しようという計画でした。
天候に恵まれ首尾良く任務を果たしたキャプテン、ジェームスクックは帰途、オーストラリア大陸に立ち寄り、英国王の領有を宣言しました。
当時のオーストラリアは国際法上では所有者のいない土地とされており、初めて領有宣言をし、実効的に支配した国が領域権限を取得することが認められていました。
そしてこの事が4万年以上も続いたこの国の歴史を変えることになったのです。
この国には昔からアボリジニーと呼ばれる、世界最古の文化を持つ先住民が住んでおりました。
ドリームタイムという独自の共生概念(自然と共存する考え方)を持つ彼等遊牧民独自の世界観が作り出す芸術や工芸品は、この国の自然とともに我々に喜びや感動を与えてくれます。
又、白豪主義で知られたこの国も1975年からの移民法の改正で、今は、全世界160カ国からの移民が集まる多国籍国家となり、以来政府は言語、人種、宗教を超え皆が幸せに暮らせるマルチカルチャリズム(多国籍文化)を打ち出しています。
オーストラリアは独立国ですが、伝統的にイギリスと綿密な関係があり、エリザベス女王を国家元首とする立憲君主制をしいています。憲法、習慣はそのままイギリスの物を引き継いでいますが、この温暖な気候が手伝ってか人々は素直で明るく気さくな国民として知られています。
人口2,400万人、80%がこの国で生まれ、大部分は英国系であり、言語、文化、伝統の面ではほぼ英国文化が浸透しています。
現在のオーストラリアは、豊富な資源をもとに急速に発展しつつあります。
古い習慣に縛られず世界の人々が宗教や肌の色にとらわれずに共存出来る社会を目指しています。
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