遺言書の ページ  Counter

 

国が違うとカルチャーも違います。日本国内でも隣の県とでは違うし、隣の家とでも違うはずです。

そこでオーストラリアの一般的なカルチャーの違いをこのページで綴って参ることにします。

今回は遺言書についてです。

何故、遺言書が必要なのか?
  オーストラリアの法律は英国法のコピーです。日本の法律はアメリカがアメリカ法を終戦と同時に押し付けたものです。アメリカ法は英国法のコピーです。
  だから日本の法律は基本的に英国法と同じ。しかるに日本は戦後、一言一句法律の変更をしていませんので全く同じと考えられます。
  しかし、その運用はカルチャーの違いが有りますから遺言書に関しても、外国のようには受け取られていませんでした。
お蔭で子供達は親が亡くなると自動的に財産を相続出来るものというカルチャーが醸成されました。

幾ら親を疎んじても、疎外視してもくれる物はくれる。
遊んでいても親が亡くなれば自分は大金持ちになる。
そんな気風が醸成されたのも遺言書が蔓延していないからです。

  オーストラリアで住み始めて気が付いたのですが、隣人も親切で若い人たちが私達老人を大切にしてくれます。
  それがこの遺言書のなせる業だったのです。

  一昔前、友人の子供が一夜で大金持ちになりました。友人は市の水道課長。それなりの資産も所得もある人ですが、その日から彼の子供が彼の数倍の資産家になったのです。
  理由は英国に住む伯母さんが亡くなり遺言書に彼の子供に遺産の一部を分与すると書かれていたからなのです。子供は当時13歳。幼稚園の頃、その伯母さんが病の床につき、やさしい言葉を綴っての手紙を幼稚園の先生主導で書き、それを送っていたのです。
  病床にいた伯母さんが甚く感激して当時書いた遺言書にその子供の名前を書き込んでいたのでした。勿論、その子供は伯母さんの顔も知りませんし会ったことも無いのです。

  最近、ホテル王が亡くなり、飼い犬に多大な財産を相続させ、3人の孫の内1人だけに億の財産を譲り、他の二人にはゼロ。しかも遺言書に「貰えない訳は考えたら判るでしょう」と書かれていたとか聞きました。

  だからオーストラリアでは独居老人が死後、白骨死体で発見されたなんてニュースは有りません。

  皆さん、日本でもこの遺言書を書くことをお勧めします。

  遺言書を書く時点で、現在自分の財産がどれほど有るのかと言う計算も出来ます。だから遺言書は1回だけしか書くものでは有りません。自分の環境が変れば書きますし、毎年、決まった時期に財産チェックを兼ねて書く人もおられます。

  何故かと言いますと、一番新しい遺言書が最終効力を持つもので、過去に書いた遺言書は新しい物を書いた時点で無効になるからなのです。いわゆる遺言書の変更とか書き換えなんてものは必要ないのです。
  気分が変れば書けば良いし、誰かが自分に対してうれしい事をしてくれて感激した時に書けば良いし、離婚したり、家族に変更が生じた時にも書けば良いし、年初めの書初め気分で書いても良いのです。

  それなりの方々がWill(遺言書)を書くカルチャーに変わると、若者達が疎外視する事も無くなるでしょう。家族から疎まれる事も無くなるでしょう。子供たちもお爺ちゃんお婆ちゃんを大事にするようになるでしょう。

  遺言書と言う言葉が嫌ならウイルで良いじゃないですか。
  大きな声で『ウイルを書こう』と叫びたい日本の現状です。

☆ 遺言書と遺書☆

日本語では遺言書と遺書とがよく混同されて考えられていますが英語では共に「Will」と言います。
遺書には対応する法律はありませんが、遺言書は民法960条から1027条で規定されております。

さてオーストラリアの遺言書ですが、これも同じように法的な規定があります。
遺言書が書ける人は15歳以上で、多少なりとも資産を保持している人です。詳しく書きますと自動車1台持っている人、安定して数万円以上のお金や株式、債券などを持っている人が書きます。
実際は大人になったら大抵の人々がWill(遺言書)を書くことを意識し始めます。道で会った人の50%は書いていると考えられます。

日本の平和の為に『ウイル』を書こう。

 

 

  ☆お勧めサイト☆

オーストラリア・フルーツピッキング情報サイト