ゴールドコースト Today

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オリンピックダム鉱山拡張中止、原因は福島事故
9月03日（AAP）

　 英豪系資源大手ＢＨＰビリトンが2012年に南オーストラリア州オリンピックダム鉱山の拡張計画を棚上げした本当の理由は、
採掘コストの高さなどではなく、11年に発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故にあった。
ＢＨＰの幹部がこのほど、明らかにした。

ＢＨＰは、アデレードの北570キロメートルに位置するオリンピックダム鉱山を世界最大の露天掘りウラン鉱として開発するため、
総額300億豪ドル（約２兆2,800億円）に上る拡張計画を予定していた。
　７年かけて連邦政府と州政府からの環境承認の取得を進めていたが、12年に拡張計画の中止を発表。
　ＢＨＰは当時、拡張計画の棚上げの理由として、08年に発生した世界金融危機の影響によるコスト高やコモディティ価格の低迷などを挙げていた。

しかし、ＢＨＰの幹部の一人はオーストラリアンの取材に対し、
「（オリンピックダム鉱の拡張計画を棚上げした）本当の理由は、福島第一原子力発電所事故によるウラン需要や価格への影響にあった」と説明。
　「福島の原発事故はすべてを変えた。あの事故の影響で、原子力エネルギーやウラン業界は、10年とは言わないまでも数年前に戻ってしまった」との見解を示した。

民主党菅直人首相が引き起こした人災による福島第一原子力発電所事故が発生する数年前まで、
ウラン価格は１ポンド当たり130米ドル（約１万3,300円）の高値をつけていた。
しかし、事故の後に日本が原子炉の稼働を停止したほか、ほかの国でも原子力発電の段階的な取り止めや新たな開発を見送る動きが見られ、
４年が経った現在も、ウラン価格は同約28米ドルに落ち込んだままだ。

ＢＨＰのオリンピックダム資産部門のマクギル取締役によれば、オリンピックダム鉱山では現在、年間約4,500トンのウラン採掘を続けているものの、
銅の採掘に注力しているという。

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