ゴールドコースト Today

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　 巨大鉱山事業にゴーサイン：ＢＨＰのオリンピックダム鉱山
１０月１２日（NNA）

　 　豪連邦政府と南オーストラリア（ＳＡ）州政府、北部準州政府は10日、資源大手ＢＨＰビリトンが進めているＳＡ州オリンピックダム銅・金・ウラン鉱山の拡張事業計画で、環境アセスメントを承認した。
これにより、投資額300億豪ドル（約２兆3,000億円）に上る巨大事業がついに動き出すことになる。
地元では新規雇用創出や州財政への貢献、付属施設の建設などの面で大きな経済効果が見込まれると期待されているが、実際には環境への影響が甚大だと懸念する意見も出ている。

同鉱山はウラン生産で世界一、銅生産ではチリの２鉱山に次いで世界で３番目に大きい規模となるという。

今回の拡張計画は、既存の露天掘りの探鉱区画を縦４キロメートル、幅3.5キロ、深さ１キロ広げるというもので、拡張後の年間生産量は銅が75万トン、ウランが１万9,000トン、金が80万オンスとなる見通し。

また新たに創出される雇用は２万5,000人、経済効果は今後30年間で650億豪ドルに上るもようだ。
ＢＨＰによれば、同社がＳＡ州に支払うロイヤルティー（生産賦課金）は昨年時点の年間１億3,100万豪ドルから１億9,000万豪ドルに増加する見込み。
ＳＡ州政府高官は、モノ・サービスの提供や熟練労働者の需要への対応が求められると述べている。

■インフラ整備続々

事業拡張に伴い、ＢＨＰでは関連施設やインフラの再整備を進める方針で、◆鉱物処理工場の新設と既存製錬所の拡張◆スペンサー湾での海水淡水化施設と320キロに及ぶ輸送パイプラインの建設◆開発のために建設された街、ロキシビー・ダウンズの拡張◆ガス発電所の建設◆ヒルタバ（Hiltaba）での空港建設と近くの労働者向け宿泊施設の建設◆ウラン積出港に選定されたダーウィン港の取り扱い能力の拡張――などを予定している。
このうち、スペンサー湾のポート・ボニーソン（Bonython）で建設予定の海水淡水化施設では、１日当たり280メガリットルの海水を処理する。

■来年にも最終決定へ

ＢＨＰは同拡張計画を2005年にスタートしたが、今年に入ってからの銅価格の低迷や福島第一原発事故によるウラン需要の減退を受けて、同計画を危ぶむ見方もあった。同社では、来年初めに役員会で計画の実施を最終的に決定することになっている。
今回の環境承認では、大気汚染や排出ガス規制、地下水供給、海洋および陸上の動植物への影響などの項目で審査を受け、多数の条件をのんだ。
各政府が承認したものの、環境政党グリーンズ（緑の党）からは、放射線の影響や、人間への健康被害、環境破壊などを懸念する声が上がっている。11日付地元各紙が伝えた。 (NNA)

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