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過去最悪の森林火災 １２８人死亡、VIC州
2月09日 （産経新聞）
オーストラリア南東部のビクトリア州で大規模な山火事が相次いで発生した。
火は森林や原野から一般住宅にも燃え広がり、州警察当局は９日、１２８人が死亡したと発表した。
１９８３年に同州などで７５人が死亡した「灰の水曜日」と呼ばれる火災をはるかに上回る同国過去最大の山火事となっている。
火災の一部は放火の可能性があるとされ、ラッド首相は地元メディアに「大量殺戮という以外の言葉は見つからない」と語った。
オーストラリアからの報道によると、山火事はビクトリア州の州都メルボルンの北部にある森林や原野を中心に数十カ所で発生し、７日に燃え広がった。
もともと乾燥していたところに４０度を超す猛暑と強風が襲い、火が一気に周辺の住宅にも延焼したとみられる。
犠牲者の多くは避難が遅れた住民だが、車で避難しようとして炎に巻き込まれたり、延焼して倒れた樹木の下敷きになったりして死亡するケースも多いようだ。被災地の捜索で死者の数は最終的に１７０人に達する恐れも出ている。
ロイター通信は「現地はまるで核弾頭が爆発したようだ。動物の死骸がそこら中に転がっている」との生存者の男性の話を伝えた。
建物の８割が焼失したというメルボルン北東約５０キロのキングレークで被災者らは「火が弾丸のように迫ってきた」とも語ったという。
気温が下がった８日に火は一部で衰えたが、ビクトリア州では９日現在、少なくとも１０カ所の大規模火災の消火が極めて困難な状況となっている。
延焼はすでに３１カ所におよび、ビクトリア州と隣接するニューサウスウェールズ州にも拡大していると伝えられる。
消防当局によると、一般住宅や公共施設の７５０を超える建物が焼失し、被害面積は３３万ヘクタール以上に達した。
他州から派遣された消防隊員も含めて４０００人以上で消火活動に当たっているが、鎮火にはまだ数日かかる見通しだ。
ラッド首相は８日、消火作業の支援で陸軍に出動準備を命じる一方、メルボルン北方の被災地を視察し、被災者支援に１０００万豪ドル（約６億２０００万円）を拠出すると発表した。首相は被災地の復興に向け、国民に協力も訴えた。
南半球のオーストラリアでは、真夏を迎えた１月末から記録的な熱波が続き、メルボルンの最高気温は７日、観測史上最高の４６・４度にまで達したという。
同国南部は森林火災の多い地域だが、近年の干魃（かんばつ）による乾燥や強風が重なって被害が広がったとみられる。
2月9日（産経新聞）
