ゴールドコースト Today

全国ブロードバンド網計画難航
2月26日 (AAP)

　テルストラが目の上のコブ

　連邦政府が民間との共同出資で実施しようとしている全国ブロードバンド・ネットワーク(NBN)建設計画が崩壊寸前という見方が強まっている。

　ネットワーク建設には基本的な障碍が懸念されており、通信省では入札手続きをやり直す予定だと言われている。

　 　障碍は、プロジェクト入札で勝った企業は、テルストラ社が所有する既存のインフラストラクチャを利用しなければならず、テルストラは過去から一貫して、自社のインフラストラクチャを他社に使わせることに反対してきた。

　また、通信省では、政府がテルストラ社に対して何十億ドルもの賠償金を支払わなければならなくなる可能性にも憂慮している。

　 　テルストラ社は、元オーストラリア電電公社を民営化した企業で、回線網など公社時代からのインフラストラクチャを引き継いでいて、他企業より有利な立場にあるため、識者が同社のインフラ運営部門とサービス部門の分離を提案してきたが、未だに実現していない。

　現在の入札問題では、テルストラ社の入札内容が政府の要求する基準に届かなかったため、入札を却下されている。

　 　また、過去に、ブロードバンド網建設は通信業界最大手のテルストラ社が実施すると思われていたが、市場競争での優位を保ちたいテルストラ社が、
「他社に安価で帯域幅を貸した上で、その他社と競争するのでは得にならない」として、建設計画を破棄してしまった。

　そのことが政府のNBN計画につながったが、NBN計画から最大手のテルストラ社を排除するという結果になった。

　 　連邦政府は、3月末までに入札手続きを終えたいとしているが、上院予算委員会で、テルストラ社を入札から除外したのは、NBN専門家パネルと通信省事務次官だったことが明らかになり、政府に発言権がない上に、通信省も、入札の規約上、テルストラ社を除外せざるを得ないという結果になった。

　入札している企業は、オプタス・ネットワーク・インベストメント、カナダのアクシア、オーストラリア経済人のシンジケート「アカシア」、またACTのTransact、タスマニア政府とは地元地域の敷設担当で入札している。

2月26日(AAP)

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