ゴールドコースト Today

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　 チャネル・セブン通期91％減益、資産評価減が影響
8月27日(NNA)

　民放チャネル・セブンは26日、6月通期決算で前年比91.2％の減益となったことを明らかにした。上期にテレビ部門の評価をゼロに切り下げたことや、株式市場の下落に伴う投資資産の評価減が響いた。一方で、同社と実業家ジェームズ・パッカー氏が先月に株式取得をめぐって攻防を繰り広げていたメディア事業会社コンソリデーテッド・メディア・ホールディングス（CMH）に関して、買収憶測が再燃している。地元各紙（電子版）が報じた。

セブンの通期純益は1,250万豪ドルまで低下。売上高は同10.4％減の2億4,220万豪ドルだった。

同社は上期に、2006年にテレビ・雑誌・オンライン資産の半分を米コールバーグ・クラビス・ロバーツ（KKR）に売却して立ち上げた合弁会社セブン・メディア・グループの評価額をゼロに切り下げたほか、持ち株比率を23.2％まで引き上げた西オーストラリア州の新聞社ウエスト・オーストラリアン・ニュースペーパーズ（WAN）に関する評価損を計上していた。これ以外にも、投資資産で総額1億6,080万豪ドルの評価損を、年度中に売却した株式によって2,210万豪ドルの損失を出している。

ただ、これらの特別損失を除いた場合の利益は同37.7％減の1億6,355万豪ドルにとどまり、最終配当も前年同期と同じ17豪セントを維持。広告市場が落ち込む中でもテレビ部門は好調で、雑誌部門パシフィック・マガジンズも購読数が伸びたという。同社は14億豪ドルの手持ち現金を保有しており、バランスシートの安定性を強調。WANへの投資を除いた株式投資ポートフォリオの総額は6億8,900万豪ドルに達しているという。

■CMH買収の憶測再燃

こうした強固な財務力を背景に、セブンは先月、2億4,300万豪ドルを投じてCMHの持ち株比率を4.8％から19.9％まで一気に引き上げた。しかし、CMH株を既に37.9％保有していたパッカー氏も先月、私企業であるコンソリデーテッド・プレス・ホールディングス（CPH）を通じてCMH株を40.8％まで買い増してセブンの動きに対抗。市場では、セブンのストークス会長がCMHの完全買収を検討している可能性もあるとして、セブンとパッカー氏によるCMH買収の攻防につながるとの見方が広がっていた。

このCMHが26日、セブンの決算発表と同時にオンライン人材サービス会社シークに対する27％の全保有株式を1株当たり5.05豪ドルで機関投資家向けに売却したことを明らかにしたため、市場では攻防再燃との憶測が浮上している。

CMHは今回の株式放出により、来月1日までに4億4,060万豪ドルを取得する。パッカー氏は、補佐役のジョン・アレクサンダー氏とともにシークの役員を退任したことも明らかにした。多くのアナリストがシークの業績見通しは明るいと見込んでおり、買収防衛策として自社株買いに向けた手持ち資金ができるとはいえ、CMHによる保有株の売却は市場で驚きを持って受け止められている。

一方、セブンのストークス会長はこの動きについて、「シークの株価が最近上昇していたので、今回の売却は株主にとっては良い決定」と余裕の構えだ。

パッカー氏がCMHを通じて保有する株式はほかに、有料放送フォックステルの25％、スポーツチャンネル「フォックス・スポーツ」の50％など。同氏は05年に父親のケリー氏が亡くなって以降、徐々に保有資産の売却を進め、カジノ運営会社クラウンに軸足を移しつつある。

市場での憶測再燃を背景に、CMH株価は26日、一時3.34豪ドルまで跳ね上がり、前日比11.95％高の3.28豪ドルで引けている。
8月27日（NNA）

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