ゴールドコースト Today

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　 資源業界に大打撃：ＱＬＤ州洪水で事業遅延多発
1月12日（NNA）

　 クイーンズランド（ＱＬＤ）州で発生している洪水により、資源開発計画に遅れが出ている。影響を受ける事業は、資源請負業務で20億豪ドル（約1,600億円）規模。
すでに開発計画や予算の見直しに着手する企業も出始めており、事業再開のメドは立っていない状況だ。
ＱＬＤ州経済に与える損失額も拡大傾向にあり、洪水による打撃から回復するまでには時間がかかりそうだ。11日付オーストラリアンが伝えた。

建設大手レイトン・ホールディングスでは、ＱＬＤ州内炭鉱での探鉱サービスなど請負業務のうち、洪水被害で遅延・予算見直しの恐れがあるプロジェクトの総額が14億豪ドルに達する見通しだ。同社がサービスを提供する州内炭鉱のうち11カ所が現在、一時的に閉鎖されている。

クレディ・スイスのアナリストであるクニハン氏によると、洪水被害の影響を受けるとみられるプロジェクト総額は、鉱業・エンジニアリング大手ダウナーＥＤＩが４億2,100万豪ドル、鉱業・土木請負会社マクマホン・ホールディングスが３億4,000万豪ドル規模に上る。

このほか、昨年12月に５億豪ドル超で掘削サービス会社イースタンウェルを買収したインフラサービス会社トランスフィールド・サービシズも事業計画に影響が出ている。イースタンウェルのエネルギー・石炭部門の計画遅延が予想されており、損失額は着実に高まっているという。

■陸運輸送でコスト増大

また、ＱＬＤ州では、陸上輸送にも大きな影響が出ている。

石油大手サントスや英天然ガス大手ＢＧでは、開発プロジェクトに必要となる設備や機械を入手できず、プロジェクトが大幅に遅れている。
ブルース・ハイウエーを含む主要な幹線道路が通行止めとなっているため、輸送会社はほかの陸路を探す必要があり、遅延や追加コスト増が発生している状況だ。

サントスやＢＧ傘下の炭層メタンガス会社クイーンズランド・ガス（ＱＧＣ）から設備輸送を委託されているニール・マンセルでは、約200台の保有車両のうち60台の運転を停止しているという。マンセルの担当者は、「石油掘削装置の部品を運ぶためにローマ地区に向かったトラックが、１日にわずか38キロメートルしか走れない状況」と述べ、日々コストが増大していると説明した。

ＱＬＤ州のワラス主要道路相は、「今回の洪水による道路の改修費用が、深刻な洪水被害を受けた1974年と91年を合計した額を上回る可能性がある」とも指摘している。

■南東部が最大被害

ＱＬＤ州の鉱業団体、ＱＬＤ資源協議会（ＱＬＣ）の資料によると、資源業界が経済に間接的に与える被害規模は、州南東部が最大になる見通しだ。

南東部では、サンシャインコーストとブリスベーンが計80億5,100万豪ドル、マッケイが31億2,700万豪ドル、フィッツロイが24億6,700万豪ドル、ワイド・ベイ＝バーネットが10億6,700万豪ドル、ダーリンダウンズが３億9,700万豪ドル、ゴールドコーストとウエストモレトンが計３億1,100万豪ドルに上る。

このほか、◇最北部（１億8,600万豪ドル）◇北部（８億1,800万豪ドル）◇北西部（８億5,500万豪ドル）◇中西部（９億9,000万豪ドル）◇南西部（１億5,900万豪ドル）――。 (NNA)

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